初心者でもわかる!現況測量図の見方を解説

建物を建築するのに住宅メーカーから現況測量図をもらった。
相続で権利証を探していたら現況測量図が出てきた。
現況測量図の見方がよくわからないと思い検索されたのではないでしょうか?

現況測量図は、土地境界確定図とは異なり、境界を確定するためにお隣の方と境界を確認して作成する図面ではなくブロックなどで仕切られた部分を測量して図化していきます
土地の現況を平面で描いた図面で、用途によって記載事項が異なりますが、多くの図面はブロックなどの構造物や家の形などを図化して現況の面積を記載しています。

この記事では、現況測量図の見方について、現況測量図はどのような時に必要な図面なのか、土地境界確定図との違いは何なのかをわかりやすく解説しています。

お手持ちの現況測量図を近くにおいて読んでみてください。

 

1 現況測量図の見方

 

現況測量図とは現況の地物や構造物など目に見えるものを図面に反映させたものです。
用途によって記載されている内容は若干異なりますが、一般的な図面は上の図面のような図面です。

1-1 現況測量図は立体のものを平面にした図面

実際の写真がどのように図面化されるのかを紹介します。

現況道路幅員・・・実際の道路の幅のことを言います。
例えば道路の幅が本当は4メートルなのにL型側溝などの道路工事により実際の幅が4メートル以上あったり、なかったりします。
現況測量図では、現状の道路の幅がどのくらいあるのかを記載しています。

地盤高   ・・・地盤の高さのことを言います。
平らに見える土地でも実際は凹凸があるのが普通です。
家の表側と裏側では高さが違うこともよくあります。
地盤高は、実際の高さを違いがわかるように数字で記載しています。

現況面積  ・・・境界を確定させて算出した面積ではなく、ブロックや構造物で囲まれた部分を測量して算出した面積となります。 
         ※確定面積を算出する場合は確定測量が必要になります。
         確定測量の詳細は、「確定測量とは?なぜ必要なのかについて土地家屋調査士が徹底解説」をご参照ください。

  ↑ ブロックマーク
立体のブロック塀を平面で表すとき、このようなマークで表します。

 

 

実際は立体の写真を平面で図化するのが現況測量図です。

現況測量図には図面のように構造物や道路の形、境界点、建物の形状等の目に見えるものや地盤高や道路の幅員、方位、現況面積などが記載されます。

1-2 現況測量図は、土地の売買や建物の新築の時に必要

現況測量図を必要とする場合は、下記の2つの場合が多いです。

①相続や売買の事前準備として、土地登記簿の面積との差異などを知りたい
②建物を新築するので建物の配置をしたい

 

①相続や売買の事前準備として、土地登記簿の面積との差異などを知りたい
最近の売買は、事前に現況面積を把握することが多いです。
一昔前は実測売買ではなく登記簿の面積で売買される所謂「公簿売買」が主流でしたが、登記簿の面積も実際の面積と違うことが多いため「実測売買」が主流になりました。

当然実測面積は「確定測量」を行って「確定面積」で売買されますが、契約前に現況測量を行い大体の面積を把握するために現況測量を行います。

②建物を新築するので建物の配置をしたい

上の図面は建築計画の建物の配置図です。

赤線の部分が現況測量図で建築士が現況測量図に建物の位置を配置します。
配置図は、建てたい建物が実際にどのように配置されるのかが記載された図面です。

 

コラム
土地の境界確定測量を行っていて境界の確認をしていただくときにお隣の所有者から「うちには図面がある」と言われて建物の建築の際の現況測量をお持ちになる方がいらっしゃいます。

一般の方には土地境界確定図と現況測量図の区別がつかないことは当然なので、このような時は記事のような内容を説明するケースも実際に多いです。

 

 

2 現況測量図と土地境界確定図の違い

現況測量図と土地境界確定図の違いは下記のとおりです。
(作成者により作成方法が異なるので下記の違いは土地家屋調査士法人えんの違いです)

現況測量図土地境界確定図
面積現況の面積確定面積
地物や構造物等記載あり記載なし
境界標目に見えるものは記載記載あり
地盤高依頼があれば記載記載なし
辺長記載あり(現況辺長)記載あり(確定辺長)

現況測量図は現況の地物や構造物など目に見えるものを図面に反映させたものです。
現況測量に記載されている面積は、ブロックなどの構造物を測量して算出した面積で正確な面積ではありません。

土地境界確定図は、現地を測量して様々な資料に基づき計算をして境界(筆界)を特定してお隣の所有者と境界確認を行い作成する図面ですので正確な面積が記載されています。
土地境界確定測量の詳細は、「土地の価値を高めるための境界確定のすすめ」をご参照ください。

3 まとめ

現況測量図の見方について解説してきました。

現況測量図は、現況の地物や構造物など目に見えるものを図面に反映させたものです。
現況測量に記載されている面積は、ブロックなどの構造物を測量して算出した面積で正確な面積ではありません。

一般の方には、現況測量図と土地境界確定図の区別はつきずらいです。
お手持ちの図面のタイトルが「現況図」とか「現況測量図」となっている図面であれば確定図ではありませんので正しい面積は記載されていないと理解してください。

現況測量図の見方については、図面とこの記事を照らし合わせて見ていただければわかると思います。

現況測量図は確定図ではありませんので、土地境界確定が済んでいない土地であれば、確定することをおススメします。

この記事が、皆様の大切な土地を安心・安全な価値にする一助になれば幸いです。

土地家屋調査士に相談して
問題を解決

土地家屋調査士法人えん公式ブログをお読みいただき、問題は解決されましたか?

まだ解決しない場合は土地家屋調査士へご相談された方が良い可能性があります。
ご相談は無料です。

お気軽に土地家屋調査士法人えん
までお問い合わせください

土地家屋調査士に相談して問題を解決

年間 2,215件の相談件数は業界トップクラス

安心安全な不動産への相談は、土地家屋調査士へ。

※土地に関するご相談は複雑なケースが多く、実際に状況(書類など)を確認しないことにはお答えが難しいので、お電話ではなくご面談にて回答させていただきます。予めご了承ください。

建物・土地の登記、測量についての
お悩み、ご相談など
お気軽にお問い合わせください

当事務所へのお問い合わせは、お電話またはWEBから承ります。
通常、フォームからのお問い合わせは2営業日以内にご返信させていただきますが、
お問い合わせ内容によっては回答に時間を頂戴する場合もございますので予めご了承くださいませ。

※土地に関するご相談は複雑なケースが多く、実際に状況(書類など)を確認しないことには
お答えが難しいので、お電話ではなくご面談にて回答させていただきます。予めご了承ください。

-お電話でのお問い合わせはこちら-
-WEBからのお問い合わせはこちら-
お問い合わせフォーム
【関東対応】不動産の悩み・問題を解決
年間1000件以上の相談を受ける土地家屋調査士

【関東対応】不動産の悩み・問題を解決
年間1000件以上の相談を受ける土地家屋調査士