・地目変更って何だろう
・地目変更登記って何だろう
・地目変更登記は誰に依頼すればいいのだろう
このように思われて検索された方が多いのではないでしょうか?
地目変更は、例えば駐車場と利用していた土地に建物を建てた場合や畑をやっていたがやめてアパートを建築した場合のように土地の使用用途が変わったことを言います。
このように土地の使用用途が変わった場合は、不動産登記法第37条で所有者は1ヶ月以内に地目変更登記をしなければならないとされています。
1、地目又は地積について変更があったときは、表題部所有者又は所有権の登記名義人は、その変更があった日から一月以内に、当該地目又は地積に関する変更の登記を申請しなければならない。
2、地目又は地積について変更があった後に表題部所有者又は所有権の登記名義人となった者は、その者に係る表題部所有者についての更正の登記又は所有権の登記があった日から一月以内に、当該地目又は地積に関する変更の登記を申請しなければならない。
土地地目変更登記は土地家屋調査士の業とされており、登記申請代理人には土地家屋調査士がなります。
この記事では、土地家屋調査士が下記をわかりやすく解説します。
・土地の地目とは何なのか?
・地目の変更(地目が変わった)とはどういうことなのか?
・土地地目変更登記の概要について
「地目」を簡単に考えている方も多いですが、固定資産税も「地目」で評価額が変わります。
もちろん「登記上の地目の種類=固定資産税の評価」ではありませんが、知っている方がいいのは間違いありません。
最後まで読んでいただければ幸いです。
1、 地目とは
土地の地目は、不動産登記事務取扱手続準則第68条で23種類に定められています。
次の各号に掲げる地目は,当該各号に定める土地について定めるものとする。この場合には,土地の現況及び利用目的に重点を置き,部分的にわずかな差異の存するときでも,土地全体としての状況を観察して定めるものとする。
1 田 農耕地で用水を利用して耕作する土地
2 畑 農耕地で用水を利用しないで耕作する土地
3 宅地 建物の敷地及びその維持若しくは効用を果すために必要な土地
4 学校用地 校舎,附属施設の敷地及び運動場
5 鉄道用地 鉄道の駅舎,附属施設及び路線の敷地
6 塩田 海水を引き入れて塩を採取する土地
7 鉱泉地 鉱泉(温泉を含む。)の湧出口及びその維持に必要な土地
8 池沼 かんがい用水でない水の貯留池
9 山林 耕作の方法によらないで竹木の生育する土地
10 牧場 家畜を放牧する土地
11 原野 耕作の方法によらないで雑草,かん木類の生育する土地
12 墓 地人の遺体又は遺骨を埋葬する土地
13 境内地 境内に属する土地であって,宗教法人法(昭和26年法律第126号)第3条第2号及び第3号に掲げる土地(宗教法人の所有に属しないものを含む。)
14 運河用地 運河法(大正2年法律第16号)第12条第1項第1号又は第2号に掲げる土地
15 水道用地 専ら給水の目的で敷設する水道の水源地,貯水池,ろ水場又は水道線路に要する土地
16 用悪水路 かんがい用又は悪水はいせつ用の水路
17 ため池 耕地かんがい用の用水貯留池
18 堤 防水のために築造した堤防
19 井溝 田畝又は村落の間にある通水路
20 保安林 森林法(昭和26年法律第249号)に基づき農林水産大臣が保安林として指定した土地
21 公衆用道路 一般交通の用に供する道路(道路法(昭和27年法律第180号)による道路であるかどうかを問わない。)
22 公園 公衆の遊楽のために供する土地
23 雑種地 以上のいずれにも該当しない土地
登記上、1つ(1筆)の土地に2つ以上の地目を付すことは許されません。
下記に全部事項証明書(土地)を参考として貼っておきます。
表題部の「地目」に記載されているのが登記上の「地目」となります。
地目の認定で難しいのが「雑種地」です。
不動産登記事務取扱手続準則第68条で雑種地は、「以上のいずれにも該当しない土地」となっています。
駐車場に利用されている土地は、「雑種地」となりますが、昔は畑をやっていたが、今は何もやっていなくて荒地になっているような土地を「雑種地」でできるかというと微妙なところだと思います。
いわゆる中間地目と呼ばれる土地(昔は畑で将来的に建物を建てようと考えている土地など)は雑種地として認定するのが難しいです。
2、 地目変更とは
地目変更とは、土地の使用用途が変わることを言います。
例えば、畑として利用していた土地に建物を建築した場合は、「畑」から「宅地」に地目が変更されたことになります。
地目が変更されたことに間違いはないのですが、変更をすれば登記ができるという訳ではありません。
特に例であげた「畑」の場合は、農地法の関係もあり簡単に地目変更登記ができないのが現状です。
また、実際に地目変更をしているのに登記をしていない土地も多いです。
これは、知らないというケースが多いのだと思います。
一度、土地全部事項証明書(登記簿謄本)を取得して確認してみてはいかがでしょうか?
地目変更登記につきましては、次章で解説します。
3、 地目変更登記とは
不動産登記法第37条で地目変更登記は、地目の変更があったときから土地の所有者は、1ヶ月以内に地目変更登記を申請しなければならないとされています。
1、地目又は地積について変更があったときは、表題部所有者又は所有権の登記名義人は、その変更があった日から一月以内に、当該地目又は地積に関する変更の登記を申請しなければならない。
2、地目又は地積について変更があった後に表題部所有者又は所有権の登記名義人となった者は、その者に係る表題部所有者についての更正の登記又は所有権の登記があった日から一月以内に、当該地目又は地積に関する変更の登記を申請しなければならない。
地目変更登記をわかりやすいようにQ &A形式で解説します。
地目変更登記とは(Q &A)
A1、地目の変更があったときに登記簿記載の地目を変更する登記です。
A2、申請義務はあります。
① 地目の変更があったときから1ヶ月以内に登記を申請しなければなりません。
② 地目又は地積について変更があった後に表題部所有者又は所有権の登記名義人となった者は、その者に係る表題部所有者についての更正の登記又は所有権の登記があった日から一月以内に、当該地目又は地積に関する変更の登記を申請しなければなりません。
A3、①表題部所有者又は所有権の登記名義人となります。
②地目又は地積について変更があった後に表題部所有者又は所有権の登記名義人となります。
A4、概ね5万くらいとなります。
土地地目変更登記の費用について詳しくお知りになりたい方は、「土地地目変登記の費用っていくらなの?土地家屋調査士が徹底解説」をご参照ください。
A5、法務局の混雑具合にもよりますが、1ヶ月程度で完了します。
地目は、地積(面積)と違い財産価値を直接決めるものではないので重要視されない方が多いですが、非常に重要なものなのです。
土地を売却したいと考えた場合、土地の地目が「畑」や「田」であった場合は、簡単には地目変更登記ができません。
農業委員会の許可が必要となります。(実務では農地転用の書類を添付します。)
これらの書類が添付できない場合は法務局より農業委員会に照会があり原状回復命令等が出ないことを確認した後に登記完了となります。
地目が「畑」や「田」の場合は、売買もできない場合もあります。
是非ご自分の土地の「地目」を確認してみてください。
4、 まとめ
地目変更について解説しました。
そもそも地目って何だろう?
地目とは土地の使用用途によって決まりますが、実際は変更していても登記上の地目を変更していない方も多いです。
地目変更登記は、申請義務のある時です。
不動産登記法第37条で地目変更登記は、地目の変更があったときから土地の所有者は、1ヶ月以内に地目変更登記を申請しなければならないとされています。
申請を怠ったものは、10万円以下の過料の課せられるとの規定もあります。
不動産登記法第37条の規定による申請をすべき義務がある者がその申請を怠ったときは、10万円以下の過料に処する。
多くの人にとって不動産(土地)は財産の中で最も高価なものです。
この高価の土地の「地目」が変更前の「地目」であるというのはどうなのでしょうか?
自分の財産をきちんとしておくためにも「地目変更登記」は大切なことです。
自分の土地の登記簿を確認して「地目」が現在と違うという方、是非「地目変更登記」を申請して正しい「地目」に直してください。
この記事が、皆様の大切な不動産(土地・建物)を安心・安全な価値にする一助になれば幸いです。