建物を解体したら滅失登記をする!【5つのポイントを専門家が解説】

建物解体が終わり、解体業者さんから”登記は誰かに頼んでくださいね”と言われたけど、誰に頼んだらいいのか。
・空き家をずっと放置して特定空き家に認定されてしまった。
・補助金や助成金が使えそうだけども、完了報告として登記が必要になっている。

このように登記の進め方についてお困りの方も多いのではないでしょうか。

解体した時の登記申請については、自分でも行うことができますが、専門家へ登記を頼む場合には土地家屋調査士へ依頼することになります。

滅失登記も意外と奥が深く、
・建物図面が無い
・位置の特定根拠が無い
・相続発生
・知らない所有者の登記
・工事途中での申請

など様々なパターンが存在します。

しかし、面倒だからとこれを放置すると、誤って固定資産税が課税され続けてしまったりしかねません。建物解体したら、すぐに滅失登記を申請する義務もあります。

年末に解体をしている際などは、1月1日現在の建物所有者に課税がなされるため、急ぎで滅失登記申請するポイントとなる時期です。滅失・新築をどのタイミングで登記するか、固定資産税との絡みもあり非常に重要な時期でもあるのです。

このように、建物解体後の登記は固定資産税も大きく関わる部分であり、放置すれば、過料に科される可能性もあり、確実に滅失登記を終える必要があります。

本記事では、数々の建物の解体後の滅失登記について法務局と協議を重ね、滅失登記をしてきた土地家屋調査士が、滅失登記の5つのポイントについて詳しく解説していきます。

是非、本記事を参考にして、建物解体後はすぐに滅失登記を実施して安心安全な状態へとしていきましょう。

1 建物を解体したらする建物滅失登記とは

建物を解体した後にする登記は建物滅失登記といいます。

建物滅失登記とは、管轄の法務局へ登記されている建物の記録を閉鎖させる行政手続きのことで、所有者に申請義務が課されています。

解体完了後から1か月以内に登記申請をしなければなりません。

(建物の滅失の登記の申請)
第五十七条 建物が滅失したときは、表題部所有者又は所有権の登記名義人(共用部分である旨の登記又は団地共用部分である旨の登記がある建物の場合にあっては、所有者)は、その滅失の日から一月以内に、当該建物の滅失の登記を申請しなければならない。

2 建物滅失登記の5つのポイント


建物滅失登記には、いくつかポイントがありますが、この章では、その中でも重要と思われるものを5つに絞って解説します。

他の記事でも、建物滅失登記について解説してありますので、違う論点を確認されたい方、費用について詳しく確認されたい方は下記の記事も参考にしてみてください。

「建物滅失登記」とは?大切なポイントを土地家屋調査士が解説します

建物滅失登記の費用っていくらなの?依頼先や費用相場について解説

POINT1 誰が滅失登記を申請するの?


建物滅失登記の申請人は建物の所有者です。

建物所有者が申請する必要がありますので、登記されている住所氏名が現状と一致しないときは、その繋がりを証明する住民票などをつけて申請します。

専門家などの代理人からの申請もできます。

また、相続などが発生している場合には、相続人から申請することもできます。相続人から申請する場合についての詳しい解説は下記の記事を参考にしてください。

相続登記をしないで滅失登記をして時間短縮|登記費用も節約しよう

POINT2 どこまで壊れたら滅失登記できるの?


どこまで壊れたら滅失登記が申請できるかについて細かな規定はありません。

一般的には、屋根や外壁が取れ、建物として利用できない状態まで解体が進んでいれば、登記申請できると考えられます。

建物基礎や外壁の一部が残っていれば、多少早いとも考えられますが、外壁が1面、2面と取れ屋根が無いものについては、建物としての用途性を欠くとの解釈もでき申請できるでしょう。
このように微妙な申請時期の問題や登記官の裁量により滅失認定をしてもらう必要があるケースでは間違いなく土地家屋調査士へ依頼するべきでしょう。

土地家屋調査士は日々の業務において、建物所有者の代理人として建物登記に関する申請を行っており、登記官との信頼関係も築いているからです。
急ぎのケースや、工事途中で申請しなければならない場合は専門家に相談しましょう。

POINT3 滅失登記し忘れているけど、どうしたらいい?


滅失登記をし忘れていることに気が付いた時もあるでしょう。その場合はすぐに申請しましょう。
過料などの制裁規定がありますが、科されたという実例は聞いたことがありません。
滅失登記忘れに気が付いた段階ですぐに手続きを取った方がよいでしょう。

同時に固定資産税が課されていないかも確認した方が良いと考えられます。数多く貸家などがある場合、役所も建物所有者も双方に管理漏れがあるケースでは、課税が継続していることもあり得ます。

数棟建物を保有しており、どれがどの建物か不明確になっているような場合は、しっかりと調査して管理を強化するのも一案です。これを機会に、他の建物も調査してみることも不動産を安全に管理するには大切と考えられます。

たまにある事例で放置できないパターンのひとつで、誰なのか分からない建物所有者名義の登記が、所有する土地上に建物登記が残されていることがあります。

このように、誰の名義か分からない建物登記が自分の土地上に登記されているということは、ある意味、非常に危険な状態とも言えます。
建物所有を目的とした、借地権の主張を受けたりする可能性もあるからです。

このような不明な登記が残っているケースでは、建物滅失申出という手続きができます。
土地所有者から、滅失登記をして欲しいと登記官へ訴える手続きです。・
この申出が認められると、登記官の職権で、建物登記記録は閉鎖されます。

滅失登記忘れには注意しましょう。

POINT4 解体証明が出してもらえない、どうしたらいい?


解体証明が出してもらえないこともあるかもしれませんが大丈夫です。
解体証明が無くても滅失登記は申請できます。

・解体業者さんが倒産した
・解体業者さんが個人で手続きが良く分からないようだ
・滅失登記し忘れていて、解体業者さんに頼んだけど、証明書は出せないと言われた

色々な状況で、解体証明が発行されないこともありますが、重要なのは現地の建物があるのかないのか、この1点につきます。

建物があれば、滅失登記はできない。
建物がなければ、滅失登記できる。

簡単に考えれば、建物があるかないかで申請できるかできないかが決まります。
書類はそれを証明する一つの資料にすぎません。

また、以前に解体された建物の場合、市区町村役場の固定資産税課などに行けば、家屋滅失証明書などを発行してもらえることも多いです。
固定資産税課は航空写真などを利用して家屋の解体や新築を確認しているところもありますので、滅失証明書も発行されるところが多いようです。

専門家に依頼すると、このあたりの調査も含め、現地調査も含め、登記官との協議も全て対応できますので、資料が無いなどのケースでは、専門家へ依頼することも検討しましょう。

POINT5 滅失登記、誰に頼んだらいいの?期間は?


滅失登記は、土地家屋調査士に依頼します。
期間は、通常の建物滅失登記では申請してから1週間から10日間程度です。法務局の混雑具合により多少前後します。
申請までの準備として、現地調査、書類収集などで1~2週間は見ておいた方がいいでしょう。
相続人からの申請するケースや、土地所有者から滅失登記を申し出るような複雑なケースでは、プラスアルファの時間がかかりますので、余裕を持って準備しておく必要があるでしょう。

土地家屋調査士は個人、法人など各所に事務所がありますが、地域の土地家屋調査士会へ連絡してみるか、今の時代であれば、インターネットで検索して依頼をすることもできます。

無料相談などを行っている事務所も多いですから、まずは状況を説明して相談してみると良いでしょう。

土地家屋調査士法人えんの場合の無料相談方法について下記の記事を参考にしてみてください。
土地家屋調査士の無料相談は面談で!財産の問題なので簡単に考えない

3 まとめ


ここまでこの記事を読んで、建物解体した後の滅失登記についてのことや、重要なPOINT、手順が把握できたと思います。

最後にもう一度、この記事の内容を振り返ってみましょう。

今回は建物解体に伴う滅失登記について解説しました。

建物解体~滅失登記、この一連の流れが固定資産税につながっていたり、土地上の権利のことに派生したり、不動産を管理する上で重要な手続きであることがご理解いただけたと思います。

土地家屋調査士法人えんでは、建物滅失登記のほか、土地・建物の登記について専門とする実務経験豊富な土地家屋調査士が、お客様の様々な事情を鑑み、最適な解決方法をご提案いたします。

これをきっかけに、是非他の建物や、土地などの管理についても一度見直しをされ安心安全な不動産の資産としていただければ幸いです。

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