・土地家屋調査士からの見積りが届いたが適正な価格なのか
・土地家屋調査士の見積りってどのように決まるのか
・どこの土地家屋調査士に頼んでも同じなのか
このように思われて検索されたのではないでしょうか?
土地家屋調査士の見積りは、事務所によってまちまちだと思います。
住宅メーカーでも高価格の会社から安さが売りの会社まであるように土地家屋調査士事務所や土地家屋調査士法人もその事務所(法人)によって考え方があるので金額も異なります。
実際、個人事務所と法人でも金額は違うと思います。
会社組織でやっていれば経理や総務といった非生産部門も存在します。
個人の事務所と比べれば当然金額も高くなります。
高くなるなら個人事務所にお願いした方がいいと思われると思いますが、法人には法人のメリットがあります。
詳細は、本文で解説しますが、例えば法人は解散しない限り存続しますので相続でお子様やお孫さんに土地の所有が移った場合でも土地の境界のことは法人が責任をもって対応します。
土地家屋調査士は、個人に与えられる資格なので個人事務所の場合、土地家屋調査士が業務をやめてしまった場合や亡くなってしまった場合は事務所を閉めることになります。
見積りが安い方がいいのであればそのような選択もありです。
財産の保全のように将来に安心・安全を引き継ぎたいなら法人を選択するのもありです。
どれが正しいということはないと思います。
この記事では、土地家屋調査士の費用、土地家屋調査士を選ぶポイントを解説しています。
最後まで読んでいただければ幸いです。
目次
1 土地家屋調査士の費用
「土地家屋調査士の費用」と言っても様々な業務があります。
「土地」でしょうか?それとも「建物」でしょうか?
「土地」と言っても、「測量」でしょうか?「登記」でしょうか?
この章では、土地家屋調査士の主な業務の費用の解説をします。
ただし、金額感は、弊所「土地家屋調査士法人えん」の金額感であり他の事務所とは異なりますことをご了承ください。
1-1 土地境界確定測量
土地境界確定測量の費用は、主に下記の5つの決まります。
②隣接地の数
③境界(筆界)点数
④隣接道路の種別
⑤隣接道路の確定の有無
このように様々な条件によって金額が異なりますので土地境界確定測量は〇〇万円ですとは言えません。
土地境界確定測量の費用について詳しくお知りになりたい方は、「境界線を測量する費用っていくらなの?土地家屋調査士が解説します」をご参照ください。
土地境界確定について詳しくお知りになりたい方は、「土地の価値を高めるための境界確定のすすめ」をご参照ください。
1-2 土地分筆登記
分筆の費用には、法務局へ支払う登録免許税と土地家屋調査士へ支払う費用があります。
分筆の費用 | 登録免許税 | 土地家屋調査士の費用 |
分筆後の土地1個につき1000円 | 幅があることが特徴、状況によって測量費含め数十万~数百万かかる |
登録免許税
登録免許税とは、分筆登記に対して、課税される税金のことです。
分筆後の土地の個数×1,000円を収入印紙で法務局へ支払います。
オンラインにて申請する場合は、インターネットバンキングから電子納付により支払います。
土地家屋調査士の費用
分筆の費用の中で、最も大きなものは土地家屋調査士の費用です。
土地家屋調査士の費用は、分筆対象の土地の状況により変動します。数十万~数百万まで様々で面積や土地の形状、関係者の人数によって変動し、幅が広いことが特徴です。
分筆登記を行うための調査や測量は高い精度が求められており、境界立会などを実施や地積測量図を作成するのも、一般の方には大変困難な作業となりますので、分筆は土地家屋調査士に依頼することをおススメします。
分筆登記の費用について詳しくお知りになりたい方は、「土地を分筆する費用はいくらかかるの?土地家屋調査士が事例付で解説」をご参照ください。
1-3 土地地目変更登記
土地家屋調査士へ依頼する場合の地目変更登記の費用相場は一般的には1筆あたり5万円前後です。
所有する土地が複数あり、地目変更する筆数が追加になる場合は、1筆あたり2~3万円加算になります。
1筆あたりの費用相場 | 筆数加算 | |
専門家へ依頼する場合 | 5万 | 2~3万 |
地目変更登記を依頼する専門家は土地家屋調査士です。
農地や相続が発生しているケース、どの地目に変更したらよいのかよく分からないケースでは、土地家屋調査士へ依頼した方が良いでしょう。
土地の地目変更の費用について詳しくお知りにおなりたい方は、「地目変更登記の費用っていくらなの?土地家屋調査士が徹底解説」をご参照ください。
地目変更登記について詳しくお知りになりたい方は、「農地に住宅を建てた・・地目変更登記の申請義務があります」をご参照ください。
1-4 土地現況測量
土地現況測量は、面積によって金額がかわります。
土地家屋調査士法人えんでは、「現況測量パック」という形で面積によって金額を変わりやすく公開しています。
土地家屋調査士法人えんの現況測量パックの費用は下記のとおりです。
面 積 | 費用(税抜き) |
~ 200㎡ | 15万円 |
201㎡ ~ 500㎡ | 20万円 |
501㎡ ~1000㎡ | 25万円 |
1001㎡ ~2000㎡ | 35万円 |
2001㎡ ~5000㎡ | 50万円 |
5001㎡~ | 見積りを提出いたします。 |
※真北測量、用途境、セットバック、窓の位置などはオプションとなりますので別途ご相談ください。
現況測量パックについて詳しくお知りになりたい方は、「現況測量なら土地家屋調査士法人えんが行う現況測量パック」をご参照ください。
現況測量について詳しくお知りになりたい方は、「【境界の専門家が解説】現況測量とは?土地の現況を知る第一歩」をご参照ください。
1-5 建物表題登記
一般的に建物表題登記の費用には、「土地家屋調査士の報酬」と「実費費用」があります。
土地家屋調査士に頼む場合の費用は、調査実費費用も含めて新築一戸建、木造2階建100㎡前後で概ね10万円程度です。
実費費用は、①登記情報の調査費、②現地調査の交通費、③提出書類の取得費となります。
建物表題登記には、直近で新築された建物と長い間登記されていなかった未登記建物があります。
直近で新築された建物は、建築図面等がしっかりしているのでスムーズに登記できますが、未登記で古い建物の場合は、図面や必要書類が揃っていないケースが多いので登記も手間がかかるため費用が高くなってしまいます。
建物表題登記の費用について詳しくお知りになりたい方は、「建物表題登記の費用はどのくらいかかるの?専門家への依頼でお得に」をご参照ください。
建物表題登記について詳しくお知りになりたい方は、「表題登記とは?新築建物表題登記について土地家屋調査士が徹底解説!」をご参照ください。
未登記建物の表題登記について詳しくお知りになりたい方は、「未登記とは?未登記建物の表題登記について専門家が徹底解説!」をご参照ください。
1-6 建物滅失登記
滅失登記の費用をまとめますと、下記のようになります。
費用の内容 | 金額 |
登録免許税 | 0円 |
土地家屋調査士の費用 | 50,000円程度 |
(イレギュラーな滅失登記の場合の追加費用)
費用の内容 | 金額 |
①相続発生時の戸籍調査費 | 3~5万円程度 |
②分合筆により所在変更 | 1~2万円程度 |
③広大な借地上建物 | 1~2万円程度 |
④抵当権が残存 | 数万円程度 |
⑤解体証明書が無い | 数万円程度 |
⑥登記上の住所が変更 | 1~2万円程度 |
建物滅失登記の費用について詳しくお知りになりたい方は、「建物滅失登記の費用っていくらなの?依頼先や費用相場について解説」をご参照ください。
建物滅失登記について詳しくお知りになりたい方は、「建物滅失登記とは?大切なポイントを土地家屋調査士が解説します」をご参照ください。
2 土地家屋調査士を選ぶポイント
土地家屋調査士を選ぶポイントは大きく分けると3つあります。
②スピード
③安心・安全
それぞれについて解説します。
①費用
土地家屋調査士事務所(法人)によって費用は異なります。
土地家屋調査士の報酬は、〇〇万円と決められているわけではないため事務所によって金額が異なります。
安さを求めるならばいくつかの土地家屋調査士事務所に連絡して相見積もりを取ってみるのもいいかもしれません。
弊所土地家屋調査士法人えんは、法人として業務を行っているため事務方等の非生産部門が存在します。
そのため、個人事務所と比べると金額は高くなってしまいます。
しかし、法人には法人のメリットがあり、次で説明します②スピード、③安心・安全においては個人事務所を上回ると思っています。
②スピード
スピードも事務所によって異なります。
業務が忙しい事務所は、どうしてもスピードが遅くなる傾向にあります。
逆に業務がそれほど忙しくない事務所はスピーディーな対応ができるのではないでしょうか?
また、個人事務所と法人でもスピードの差はあると思います。
法人は、人数も多いので新規案件への対応スピードは上がると思います。
③安心・安全
土地家屋調査士は、土地家屋調査士法第1条で、「土地家屋調査士は、不動産の表示に関する登記及び土地の筆界を明らかにする業務の専門家として、不動産に関する権利の明確化に寄与し、もって国民生活の安定と向上に資することを使命とする。」と規定されています。
土地家屋調査士法人えんは知識の習得や技術の研鑽をし続けていき、皆さんの大切な不動産(土地・建物)を安心・安全な価値にするのが土地家屋調査士の使命だと考えています。
そのために皆さんが相続で子、孫と不動産をつないでいくように我々も次世代の土地家屋調査士につないでいけるように法人化しています。
土地家屋調査士という資格は個人に与えられる資格で、個人事務所の場合は、資格者が業務を廃業したり亡くなってしまった場合は、事務所がなくなります。
このようなケースだと測量してもらった土地で困ったことがあった場合どこに相談していいのかわからないということもあり得ます。
土地家屋調査士を選ぶポイントは、何を重要視するのかによって異なると思います。
3 まとめ
土地家屋調査士の費用について解説してきました。
・安い方がいい
・早い方がいい
・安心できる方がいい
土地家屋調査士事務所にも色々な考え方があり特色もあります。
どんな事務所に依頼すればいいのかは、皆さんの考え方によると思います。
弊所土地家屋調査士法人えんは、皆さんに選んでいただけるように情報発信に力を入れています。
我々も記事に書いていることは責任をもって提供できるように本職は日々研鑽しております。
この記事を読んでいただいている方は、費用についてお知りになりたい方がほとんどだと思いますが、不動産は高価なものです。
費用だけではなく、皆さんの大切な財産(不動産)を安心・安全な価値にするために土地家屋調査士を選んでいただければ幸いです。