土地家屋調査士の将来性は?土地家屋調査士法人の代表が現実を語る!

・土地家屋調査士の将来性ってどうなんだろう
・土地家屋調査士になりたいけど現実はどうなのか

このように思われて検索されたのではないでしょうか?

この記事を読んでいる方は、現職の土地家屋調査士又は土地家屋調査士になろうと考えている方だと思います。

著者の私は、土地家屋調査士法人えんで代表社員をやっています小山と申します。
この記事では、私が考える土地家屋調査士の将来性と現状をお伝えします。

土地家屋調査士法人えんについて詳しくお知りになりたい方は、「土地家屋調査士法人えんの全てがわかる!創業代表がえんを語る」をご参照ください。

土地家屋調査士は、土地家屋調査士法第1条で「土地家屋調査士は、不動産の表示に関する登記及び土地の筆界を明らかにする業務の専門家として、不動産に関する権利の明確化に寄与し、もって国民生活の安定と向上に資することを使命とする。」とされています。

業務と分解すると
・表示に関する登記
・土地の筆界を明らかにする業務の専門家

これらは、土地家屋調査士の独占業務です。

詳細は、本文で詳しく解説しますが、これだけでも将来性はあると思います。
この記事を読んでいただいた方が、土地家屋調査士を目指したいと思っていただければ幸いです。

1 土地家屋調査士の将来性は

土地家屋調査士の将来性は大いにあると思います。

土地家屋調査士の人数は2021年で約16,000人程度で2002年の約18,000人がピークで年々減少しています。

反面、仕事量は増加しているように感じます。
受験人数も令和3年は、約3800人と大幅に減少しています。
私が、合格した平成15年は1万人強だったと記憶していますので約20年で3分の1に減ってしまいました。

また、土地家屋調査士の平均年齢は60歳近くだと言われていますので世代交代も遅れている業界だと思います。

このように資格者の減少、受験人数の減少、高齢化と普通に考えれば将来性のない業界に感じられるかもしれませんが、私はそうは考えていません。

たしかに、土地家屋調査士の業務の中で建物の表題登記に関しては、人口減少及び少子高齢化の時代では案件数は減少することは間違いないでしょう。

しかし、土地の境界確定業務はまだまだ増加すると考えています。
ご存知のとおり相続の件数は、まだまだ増加すると言われています。
建物表題登記とは、反対で人口減少及び少子高齢化の時代では土地の売却が増えると思われます。

このように土地境界確定業務は、増加していくと考えていますが、我々土地家屋調査士が境界(筆界)の専門家として認知されていくためには、大きく変化することが必要だと思います。

現状については、次章で詳しく解説しますが、歯医者であれば予防歯科、健康であれば予防医学、相続であれば終活等々、多くの業界では事が起こる前に対処しておくことが重要であるということが主流になってきています。

土地家屋調査士が境界(筆界)の専門家として認知されていくためには、事が起こる前に境界(筆界)を確定させておく予防測量という考えを広めていくべきだと思います。

予防測量について詳しくお知りになりたい方は、「【予防測量】皆さんの大切な土地を安心・安全な価値にするために!」をご参照ください。

2 土地家屋調査士の現実


土地家屋調査士の現実は、どこの事務所も非常に厳しいと思います。

一部の事務所を除いては、登記と測量の割合は1:9、2:8、良い事務所でも3:7といった感じではないでしょうか?

測量の案件が多ければ当然に人も必要となってきます。
しかし、土地家屋調査士は倫理も厳しい業界です。
補助者任せはできなく、多くの案件をこなすためには多くの本職が必要となってきます。
これが、多くの土地家屋調査士事務所が大きくなれない原因の一つだと思います。

昔ならともかくとして、現在は労働基準法を遵守しなければなりません。
こういう状況で補助者を育成していくためには、高単価の業務、長期間の業務等を
受注していく必要があります。

1章でもお伝えしましたが、将来的には土地の境界確定業務が益々増えていくと思います。
土地境界確定は登記とは異なり知識だけでできる業務ではありません。
補助者を育成して、本物の土地家屋調査士にしていかなければなりません。

そのためにも、予防測量という考えを広めていくべきだと思います。
しかし現状は、
・土地を売らなくてはならなくなったから確定測量をする
・相続で兄弟と分けることになったから土地分筆登記をする

このように必要に迫られたから土地境界確定を依頼するというのがほとんどです。

これでは、受験人数の減少も頷けます。

3 土地家屋調査士になろう


土地家屋調査士は、将来性のある資格です。

土地家屋調査士という資格ができて70年強ですが、今が大変革する時期だと思っています。
我々も業務を行っている中で「土地家屋調査士の〇〇です。」と挨拶しますが、資格を知らない人の方が多いです。
それよりも「測量屋さん」と呼ばれることの方が多いのが現状です。

知られていなければ、ないのと同じではないでしょうか?
より多くの情報を発信して多くの方に知っていただければ「予防測量」という考えも広がっていくと思っています。

土地家屋調査士は、多くの方の財産の中で最も高価なものである不動産を安心・安全な価値あるものにする専門家です。

現職やこれから土地家屋調査士になっていく人が誇りをもって働ける資格でなければなりません。

そのために多くの方と一緒に情報発信をして土地家屋調査士の認知度を上げていきたいと思っています。

この記事を読んで、土地家屋調査士に興味が湧いた方、是非土地家屋調査士を目指してください。

土地家屋調査士法人えんの採用について詳しく知りたい方は、「土地家屋調査士法人えん採用ページ」をご参照ください。

4 まとめ

土地家屋調査士の将来性について解説してきました。

土地家屋調査士は、非常に将来性のある資格だと思います。
資格者の減少、受験人数の減少、資格者の高齢化や現状の業務内容等将来性に不安を感じられている現職の土地家屋調査士、補助者、資格取得を考えられている方も多いと思いますが、
時代は変化します。

・歯が痛くなってから行く歯医者から虫歯にならないために行く歯医者に変わった
・亡くなってから相続で揉めるから亡くなる前に揉めないようにやっておく終活

我々の業界も必要に迫られてから行う境界確定から高価な財産をしっかり保全するための予防測量に変化していく必要があります。

土地家屋調査士は、魅力的な資格です。
一緒に土地家屋調査士としてやりましょう!

最後までお読みいただきありがとうございました。

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