実家じまい!測量のポイントを測量登記の専門家土地家屋調査士が解説

実家じまいをして売却したいと考えていて検索されたのでないでしょうか?

地方に限らず東京23区でも親が住んでいた土地を売却したいという方は少なくありません。

昔は、長男が家を継いで行くという文化(家督相続)でしたが、現在は両親とは別々に住んでいて子供が小学校に入学するタイミングで家を購入するという方が多いように感じます。

我々も売却のための土地境界確定測量を依頼されることは多いですが、その時にお聞きするお話で下記のようなことをよくお聞きします。

親が亡くなりしばらくは実家をそのままにしておいたが、誰も住まなくなると家が痛むし火災の心配があり売却することにした。
自分たちが育った家を売却するのは寂しいけど放っておいて家がどんどん壊れていくより、新しい方に住んでもらったほうがいい。

もちろんこのように自分で一戸建てやマンションを購入された方でも子供が巣立ったのをきっかけに実家を改装して住まわれるという方もいると思います。

このような方が多ければ空き家問題などはなくなるのでしょう。

調査では2040年には今の倍の空き家数になると言われています。
誰もが自分の実家を手放すことは寂しいことだと思います。

しかし、どうせ手放すなら購入者が安心して住めるような状態で譲り渡した方が、自分が育った場所が喜んでくれるのではないでしょうか?

この記事では、実家じまいをして売却を考えている方が、

・なぜ測量が必要なのか?
・測量の手順は?
・測量は誰に依頼すればいいのか?

について、測量登記の専門家である土地家屋調査士が解説していきます。

最後までお読みいただければ幸いです。

 

 

1,実家じまいに測量が必要な理由

実家じまいには、土地境界確定測量をすべきです。

実家じまいとは、親が亡くなって相続したり、施設に入り住まなくなったため実家の土地や家を売却することを言います。

現在土地を売却したり、土地を分割したりする場合には、土地の境界が確定していることが条件となる場合が多いです。

なぜ土地の境界が確定していなければならないのでしょうか?

ご自分が購入する場合は考えてみてください。

購入した土地が、境界が明確でなく家を建てて住んでみたらお隣の方と境界の位置で揉めてしまった。

このような土地なら購入しなければよかったとなってしまいます。

このように後で境界について問題にならないようにするために現在の売買は土地の境界確定測量が条件になる場合が非常に多いです。

売買だけでなく、

・土地を分割して兄弟で分けたいといった場合
・土地の一部を自分で使ってその他を売却するといった場合

これらの場合には、土地分筆登記を申請しますが、境界が確定していることが条件となります。

多くの方が、自分の土地の境界はブロック塀が積んであるから決まっていると考えていますが、実際の境界の位置をご存知の方は非常に少ないのが現状です。

既に実家じまいをすることを決めて不動産業者の方に相談されている方は、土地境界確定測量の提示もされていると思います。
しかし、まだ決めかねている方は、土地境界確定測量を検討してください。

実家じまいをして売却するにしてもご自分や子供に住まわせるにしても土地の境界はハッキリさせておいた方がいいです。

土地境界確定測量は、境界の位置を特定してお隣との方と境界の位置を確認して境界確認書(筆界確認書)を取り交わします。
この作業でお隣の方が、境界の位置に納得してくれなくて確定できない場合もあり得ます。
このような場合、売買ができないというケースになることもありますので土地境界確定測量はできるだけ早い時期にやることをおすすめします。

下記記事は参考となりますのでご参照ください。

確定測量について詳しくお知りになりたい方は、
確定測量とは?なぜ必要なのかについて土地家屋調査士が徹底解説

相続した土地を売却すると決めたときに急ぎで実地すべきことについて詳しくお知りになりたい方は、
相続した土地を売却するのに急ぎで実地すべきこと「確定・分筆」

土地境界確定測量の費用について詳しくお知りになりたい方は、
境界線を測量する費用っていくらなの?土地家屋調査士が解説します。

生前の相続対策でやっておきたい測量・登記について詳しくお知りになりたい方は、
土地家屋調査士が教える!親が亡くなる前にやっておきたい測量・登記の相続対策20

2,実家じまいの測量は土地家屋調査士に依頼してください

 

実家じまいの測量は、土地家屋調査士に依頼してください。

土地家屋調査士は、土地家屋調査士法第1条で「土地家屋調査士は、不動産の表示に関する登記及び土地の筆界を明らかにする業務の専門家」と規定されています。

1章でも述べたように実家じまいは多くの場合売却を考えていると思いますので、その際に土地境界確定測量が必要となります。

では、どのような土地家屋調査士を選べばいいのでしょうか?

土地家屋調査士を選ぶポイントは大きく分けると3つあります。
①費用
②スピード
③安心・安全

それぞれについて解説します。

①費用
土地家屋調査士事務所(法人)によって費用は異なります。

土地家屋調査士の報酬は、〇〇万円と決められているわけではないため事務所によって金額が異なります。

安さを求めるならばいくつかの土地家屋調査士事務所に連絡して相見積もりを取ってみるのもいいかもしれません。

弊所土地家屋調査士法人えんは、法人として業務を行っているため事務方等の非生産部門が存在します。
そのため、個人事務所と比べると金額は高くなってしまいます。

しかし、法人には法人のメリットがあり、次で説明します②スピード、③安心・安全においては個人事務所を上回ると思っています。

②スピード
スピードも事務所によって異なります。

業務が忙しい事務所は、どうしてもスピードが遅くなる傾向にあります。
逆に業務がそれほど忙しくない事務所はスピーディーな対応ができるのではないでしょうか?

また、個人事務所と法人でもスピードの差はあると思います。
法人は、人数も多いので新規案件への対応スピードは上がると思います。

③安心・安全
土地家屋調査士は、土地家屋調査士法第1条で、「土地家屋調査士は、不動産の表示に関する登記及び土地の筆界を明らかにする業務の専門家として、不動産に関する権利の明確化に寄与し、もって国民生活の安定と向上に資することを使命とする。」と規定されています。

土地家屋調査士法人えんは知識の習得や技術の研鑽をし続けていき、皆さんの大切な不動産(土地・建物)を安心・安全な価値にするのが土地家屋調査士の使命だと考えています。

そのために皆さんが相続で子、孫と不動産をつないでいくように我々も次世代の土地家屋調査士につないでいけるように法人化しています。

土地家屋調査士という資格は個人に与えられる資格で、個人事務所の場合は、資格者が業務を廃業したり亡くなってしまった場合は、事務所がなくなります。

このようなケースだと測量してもらった土地で困ったことがあった場合どこに相談していいのかわからないということもあり得ます。

土地家屋調査士を選ぶポイントは、何を重要視するのかによって異なると思います。

3,思い出を残す測量

実家じまいで売却を決めたら思い出を残すためにドローン3Dスキャナーで測量するのもおすすめです。

ドローン測量は、上空から撮影するので実家だけでなく周りの風景まで残せるので思い出として残しておけます。

3Dスキャナー測量は、外部から内部まで測量することができ、立体的に家の形や部屋の形を残すことができます。
ドローン測量と3Dスキャナー測量を組み合わせるとより詳細な思い出を作ることができます。

人間の記憶は、薄れていくもので時間が経てば実家はどんな家だったのかも忘れてしまいます。
自分が生まれ育った家の思い出をデータにしておくものいいのではないでしょうか?

4,よくある質問

Q1,相談はどうしたらいいですか?

A1,相談は電話、メールまたは弊社ウェブサイトの問い合わせフォームから受付けています。
  初回の相談は無料ですので、どんな些細なことでもご相談いただけます。
  実家じまいの測量についての相談と言ってください。
  (関東圏以外では、弊社が対応できない場合がございます。)

Q2,お見積りは無料ですか?

A2,はい、お見積りは無料です。土地の資料や場所をお知らせください。
  (関東圏以外では、弊社が対応できない場合がございます。)

Q3,測量にはどのくらいの期間がかかりますか?

A3,測量の期間は、土地の大きさや形状、周辺の環境などによって異なりますが、一般的に確定測量は3ヶ月〜6ヶ月程度です。
  行政とのやりとりがある場合は、それ以上かかる場合がありますので余裕を持ってのご依頼をおすすめいたします。

5、まとめ

実家じまいの測量について解説しました。

生まれ育った実家がなくなるというのは非常に寂しいものです。
しかし、空き家にしておいて朽ち果てていくのを見るのも辛いものです。

この記事では、実家じまいをする時には、土地境界確定測量を行い、その測量は土地家屋調査士に依頼してくださいと解説してきました。

生まれ育ってきた実家を売却するというのは寂しいものですが、どうせ売却するなら新しく住む方に気持ちよく使ってもらいたいですし、購入してよかったと思ってもらいたいですよね。

そのために実家じまいを考えたら境界問題などがないようにしっかり測量しておくことをおすすめします。

この記事が皆様の大切な不動産を安心・安全な価値あるものにする一助になれば幸いです。

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