【すぐわかる】地積測量図と公図の疑問を土地家屋調査士が回答します

地積測量図(ちせきそくりょうず)」と「公図(こうず)」って何?普通の地図と違うの?
聞きなれない言葉かもしれないけど、とっても大切な図面なんです。
地積測量図と公図は登記の事務をしている法務局というところに保管されている土地の図面で、土地の図面っていくつかあって、その中でも地積測量図と公図は代表的な図面です。
どういうときに必要になる図面なのかと言えば、土地を譲ったり、譲ってもらったりするときや土地を売ったり、買ったりするときには大切な図面です。
特に地積測量図は土地の面積やお隣さんとの境界線の距離や、境界標の種類なんかが書かれているので、参考になる図面なんです。

この記事では、地積測量図と公図の疑問についてお答えしていきたいと思います。

1 地積測量図と公図とは何なの

地積測量図」とは、土地の面積とお隣の土地との境界の距離や境界の標識が記された図面です、土地の詳細なところまで知りたいときは地積測量図をとります。縮尺は250分の1で書かれています。

公図」とは土地の位置、形、番号、お隣の土地との位置関係が記された図面です。土地の大まかな位置が知りたいときに公図をとります。縮尺は500分の1や600分の1などいろいろあります。
(公図:不動産登記法第14条第4項にある地図に準ずる図面を言う)

1-1 地積測量図と公図は何が違うの。

地積測量図公図
どこの土地でも図面あるの?ない土地もあるどこでもある
どのくらい前からあるの?1940年(昭和35年)1873年(明治6年)
なぜ作ったの?土地の登記申請のため元は地租(税金)を取るため
誰が図面作ったの主に土地家屋調査士町村の代表、土地所有者

大きな違いは地積測量図では土地の面積や境界の距離がかかれていますが、公図には面積や距離は書かれていません。なぜなら図面の目的が違うためです。
地積測量図は土地を分割するときや面積を更正するときにする登記の申請をするときに申請者が法務局に提出しなければならない図面です。
公図は土地の位置、形、番号を知るために公開されている図面です。

1-2 地積測量図と公図は何が書いてあるの

「地積測量図」には以下の10個の内容を記載しなければなりません。不動産登記規則第77条に内容が書かれています。

—-不動産登記規則第77条—-
①地番区域の名称 
土地の場所です。住所みたいなものです。(〇市〇町〇丁目)
②方位
矢印が向いているほうが北です。(東西南北がわかります)
③縮尺
実際の距離と図面の距離との割合です。(250分の1で書かれます)
④地番
土地ごとの番号です。住所とは違います。(登記された順に番号が付きます)
⑤地積及びその求積方法 
土地の面積とその面積の求め方です。(「平方メートル」で表します)
⑥筆界点間の距離
境界の点と境界の点との距離です(「メートル」で表します。)
⑦国土調査法施行令2条1項1号に規定する平面直角座標系の番号又は記号
場所を特定するために緯度経度から計算される番号(世界測地系と言い、日本国内で1~19系まである)
⑧基本三角点に基づく測量の成果による筆界点の座標値
上記⑦を基にした測量したときの境界の点のXY座標の数字
(X=000.000m Y=000.000m)
⑨境界標があるときは、当該境界標の表示
境界を示す標識の種類を記します。(コンクリート杭、金属標など)
⑩測量の年月日
土地を測量した年月日
—-不動産登記規則第77条—-


「公図」に記されているものは、不動産登記法第14条第5項にこう書かれています。
①位置 (土地がどのあたりにあるのか)
②形状 (どんな形をした土地なのか)
③地番 (土地の番号)

(土地家屋調査士から見た地積測量図と公図)
「地積測量図」は現地においてお隣との境界を判断するためには重要な資料になります。境界の標識の有る無しや境界の位置の特定に利用します。また、平成17年以降の地積測量図については現地において境界の復元性が高い図面になっています。「公図」は接しているお隣の調査や土地の形状の確認に利用します。公図からステップアップして「地図」になると境界の特定の大きな資料となります。
(地図:不動産登記法第14条第2項にある地図を言う)

2 地積測量図と公図はなぜ必要なの

地積測量図は土地の面積やお隣との境界線を知りたいとき、公図はGoogle mapなどの地図ではわからない土地の位置を知るために必要になります。3つの事例を紹介します。

地積測量図公図
売買のとき
売買対象になる土地の範囲を明らかにする

売買する土地の位置を特定
建築のとき
お隣との境界線がわからないときは必要
×
建てる範囲がわかればいいので必要ない
相続のとき
1人で相続するときは必要ない。2人以上で相続して土地を分けるときには必要になる

相続する土地がどこなのか知るため

 

3 地積測量図と公図のQ&A 

Q地積測量図はどんな時必要ですか?
A地積測量図が必要な場面は土地の売買などの取引のために必要です。または土地を分割する登記をするときにも参考にする図面です。
Q公図はどんな時に必要ですか?
A公図が必要なときは土地の位置を知りたいときに必要です。地番がわかっているときに位置確認のためです。

Q地積測量図がないと言われました。なんで無い?
A地積測量図が作成されるようになったのは規定ができた1940年(昭和36年)に以降に土地の登記(分筆、地積更正)がされた土地にあります。それ以前に登記された土地には地積測量図はありません。

Q昭和40年に作成された地積測量図はありますが、測量必要ですか?
Aあまり古い地積測量図だと現地での復元性が低く、境界標が埋まっていない可能性もあり、新たに測量が必要です。

Q公図はどのくらい信用できますか?
A公図での位置、形は土地ができた当時引かれた線なので、現地と形が違う可能性もあり、参考程度にとどまります。14条地図と呼ばれるものになっていれば信用できる図面です。

Q地積測量図と公図と現地の土地の形が違うみたいだけど、どっちが正しい?
Aテキストを選択して上書き編集してください。テキストを選択して上書き編集してください。
Q地積測量図があれば本人でも分筆はできますか。
A申請は出来ますが、本人申請は必ず法務局の調査が入ります。必ず隣の土地が絡むことなので、事前に土地家屋調査士に相談しましょう。
Q地積測量図があるが、隣から境界がずれていると言われました。どうすればいい?
Aまず、何からずれているのか聞いてみましょう。地積測量図から境界の位置がずれているということだと思います。聞いてもわからないときは土地家屋調査士に相談しましょう。
Q地積測量図がない土地を買いました。どうしたらいいですか?
A新しい地積測量図があったほうが良いです。将来のため確定測量をして地積更正登記を申請しましょう、地積測量図が法務局に保管されます。
Q地積測量図のない土地とある土地はどちらが良いですか?
Aある土地のほうが良いです。ない土地でも確定測量をして登記することで地積測量図がある土地になります。
Q地積測量図のない土地の生前贈与を考えています。何かしておく必要ありますか。
A将来のために土地のことを知っている自分で確定測量をしておいて、地積更正登記をましょう。
Q地積測量図のない土地を相続して、境界もわかりません。何をしておくべきですか。
A土地の売却を考えているのであれば、確定測量をしましょう。境界確認されている土地の価値は大きいです。
Q地積測量図と公図はどうやって取ればいい?
A最寄りの法務局で手数料を払うことで取ることが出来ます。北海道から沖縄まで全国の図面が取れます。
Q地積測量図と公図を取るのはいくらかかる?
A地積測量図、公図ともに1通450円の手数料を支払いとることができます。インターネットや郵送でとることもできます。

 

4 まとめ

地積測量図と公図は土地を取引するときには大切な図面です。
地積測量図と公図以外にも法務局には土地所在図、地役権図面、建物所在図、建物図面・各階平面図といった様々な図面が保存されています。これらの図面はほぼすべてデータ化され、オンラインによってどこでも取得することができます。
法務局にある図面でわからないことがあれば、土地家屋調査士に相談してみましょう。

土地家屋調査士に相談して
問題を解決

土地家屋調査士法人えん公式ブログをお読みいただき、問題は解決されましたか?

まだ解決しない場合は土地家屋調査士へご相談された方が良い可能性があります。
ご相談は無料です。

お気軽に土地家屋調査士法人えん
までお問い合わせください

土地家屋調査士に相談して問題を解決

年間 2,215件の相談件数は業界トップクラス

安心安全な不動産への相談は、土地家屋調査士へ。

※土地に関するご相談は複雑なケースが多く、実際に状況(書類など)を確認しないことにはお答えが難しいので、お電話ではなくご面談にて回答させていただきます。予めご了承ください。

コメント

建物・土地の登記、測量についての
お悩み、ご相談など
お気軽にお問い合わせください

当事務所へのお問い合わせは、お電話またはWEBから承ります。
通常、フォームからのお問い合わせは2営業日以内にご返信させていただきますが、
お問い合わせ内容によっては回答に時間を頂戴する場合もございますので予めご了承くださいませ。

※土地に関するご相談は複雑なケースが多く、実際に状況(書類など)を確認しないことには
お答えが難しいので、お電話ではなくご面談にて回答させていただきます。予めご了承ください。

-お電話でのお問い合わせはこちら-
-WEBからのお問い合わせはこちら-
お問い合わせフォーム
【関東対応】不動産の悩み・問題を解決
年間1000件以上の相談を受ける土地家屋調査士

【関東対応】不動産の悩み・問題を解決
年間1000件以上の相談を受ける土地家屋調査士