刑法でも定められている! 大切な「境界標」について

今回のお題は、刑法でも定められている!大切な「境界標」についてです。

コラムを担当させていただきます、土地家屋調査士えん代表の川本です。

「境界」ってとても大事なものなのです。 国同士であれば戦争になることだってあります。
あまり知られてない事ですが、境界については刑法でも定められているんです。刑法第262条の2「境界毀損罪」というものです。

刑法第262条の2
境界標を損壊し、移動し、若しくは除去し、又はその他の方法により、土地境界を認識することができないようにした者は、5年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。

私たち土地家屋調査士が係っている境界標であれば隣接の方ともしっかり立会をしていますので問題になることはないと思いますが、注意しなくてはいけないのは「東京高裁昭和41年7月19日判決」や「東京高裁昭和61年3月31日判決」です。
ここには、「境界標は、長年にわたり設置・存続していて、それを境界標として人々が承認してきたものである以上たとえそれが真正な境界を表象するものでなかったとしても、これを毀損して境界を認識不能にする行為は、境界毀損罪に該当する。」と書かれています。

石垣や境界の態をなしている自然石なども境界に準ずるものとして取り扱われるそうです。 「備えあれば憂いなし」です。土地家屋調査士がしっかり立会をし、境界標を設置した方が安心ですね(^^)