合筆登記の制限について

合筆登記の制限について

今回のお題は、合筆登記の制限についてです。

土地家屋調査士えんの川本です。

最近では一般のお客様から直接弊社にお問い合わせ頂く場面も増え、その中でも土地の相続に関するご相談が多くなってきています。中には既に遺言書を作成していらっしゃる方もいて、その内容に沿うように土地を合分筆してほしい、といった具体的なご指示を頂く場合があります。

しかし実際に調査に入ると、合筆できないことが非常に多いです。夫婦でそれぞれの名義になっていたり(所有者が違う)、地目が違う、片方の土地にだけ抵当権がついている、などがよくあるケースです。

その他にも不動産登記法第41条、不動産登記規則第105条には、合筆に関する細かな制限と特例が明記されています。
これは合筆登記が権利の合併であり、新たな登記識別情報が発行されることからも慎重に取り扱わなければならないからだと言えるでしょう。

仮に所有者が異なっていた場合、それらを合筆するためには所有権の移転の登記が必要となり、想定外の費用が掛かってしまいトラブルに発展する、といったことも起こり得るので、注意が必要ですね。